保育士の転職でいちばん避けたいのは、「入ってみたら前の園と同じ悩みがあった」というパターンではないでしょうか。求人票だけでは分からないことも多いので、見学や面接で何を確かめるかが大切です。
この記事では、求人票で見るポイントと、見学・面接で確認したいチェックリストをまとめました。保育士歴30年以上で、これまでに4回ほど園を変え、今は園長をしている私の母に聞いた話もあわせて紹介します。
結論:「求人票の数字」と「見学で見える雰囲気」の両方で判断する
給与や休日などの条件は求人票で比べられます。一方、人間関係や仕事の進め方は、実際に園を見たり、質問したりしないと分かりません。条件で候補を絞り、見学と面接で「自分に合うか」を確かめるという2段階で考えると、選びやすくなります。
まずは求人票で確認したいこと
- 給与の内訳:基本給と手当(処遇改善の手当など)がどう分かれているか。手当が多い場合、賞与の計算に含まれるかも確認する
- 賞与:「年2回」だけでなく、前年度の実績(何か月分か)が書かれているか
- 勤務時間とシフト:早番・遅番の時間、土曜保育の頻度
- 休日・休暇:年間休日数、有給休暇の取りやすさ
- 園の規模と運営:定員、職員数、運営している法人(社会福祉法人・株式会社など)
- 雇用形態:正社員か、試用期間はあるか、その間の条件は変わるか
見学・面接で確認したいチェックリスト
職員どうしの雰囲気
- 先生どうしの声かけが自然か。ピリピリした空気がないか
- 園長や主任が、職員にどんな話し方をしているか
- 職員の年齢層や経験年数に偏りがないか
仕事の量と進め方
- 書類(指導計画・連絡帳など)は手書きか、ICTを使っているか
- 書類や制作物を作る時間が勤務時間内に確保されているか(持ち帰りになっていないか)
- 行事の数と、準備にかかる負担
- 残業がある場合、どのくらいで、残業代はどう扱われるか
定着しているかどうか
- 「今回の募集はどんな理由で出ていますか」と聞いてみる(増員なのか、退職者の補充なのか)
- 長く働いている先生がいるか
聞きにくい質問は、「長く働きたいと思っているので、確認させてください」と前置きすると、角が立ちにくくなります。
現役園長の母に聞いた:長く働ける園かどうかは「トップ」で決まる
母がこれまでの転職で良かったと感じたのは、お給料が上がったこと、残業代がきちんと出るようになったこと、そして仲のいい先生と一緒に働けたことだそうです。
一方で、何度も園を変えてきた母が一番強く言っていたのが、「園長など、園のトップに立つ人の考え方によって、働き方も雰囲気もまったく違う」ということでした。トップの方針が合わないと、先生たちが早く辞めてしまうことにも大きく影響するそうです。
「トップに立つ人の思いや価値観が、先生たちが長く続けられるかどうかに大きく関わっていると思う」。これは、職員として働いてきた立場と、今の園長としての立場、両方を経験した母の実感です。
見学・面接で、園長の考え方を確かめるには
- 見学や面接では、できれば園長と直接話す機会をもらう
- 「どんな保育を大切にしていますか」「職員にどんな働き方をしてほしいですか」と聞いてみる
- 園長が職員にどんな言葉をかけているか、職員がどんな表情で接しているかを見る
- 残業代の扱いや、給与の上がり方も、この機会に確認しておく
保育方針が自分に合うかも大事
条件が良くても、保育の考え方が合わないと、毎日の仕事がしんどくなります。のびのび遊ぶことを大切にする園、行事や教育的な活動に力を入れる園など、方針は園ごとにさまざまです。見学では、子どもたちの過ごし方や、先生が子どもにどう声をかけているかを見ておくと、方針が自分に合うかをイメージしやすくなります。
自分だけで情報を集めるのが大変なときは
働きながら複数の園を見学し、聞きにくいことまで確認するのは、時間も気力も必要です。そんなときは、保育士向けの転職支援サービスに相談して、園の内部の情報や条件の交渉を手伝ってもらうという方法もあります。使うときのポイントは「保育士が転職支援サービスを使う前に知っておきたいこと」にまとめています。
まとめ
- 求人票では、給与の内訳・賞与の実績・勤務時間・休日を比べる
- 見学と面接では、職員の雰囲気・持ち帰り仕事の有無・定着しているかを確かめる
- 現役園長の母いわく、長く働けるかどうかは「園長などトップの考え方」で大きく変わる。見学や面接で園長と話してみる
- 保育方針が自分に合うかも、長く働くうえで大切


