「自己分析って、結局何をすればいいの?」
就活中の学生と話していると、よくこう聞かれます。モチベーショングラフや自分史など、自己分析のやり方はたくさん紹介されていますが、やってみても「で、ここから何が分かるの?」となってしまう人が多いんです。
この記事では、副業でキャリアエージェントとして学生の就活を支援している私が考える、自己分析で本当に大事なことと、その進め方をまとめました。あくまで私個人の考え方として参考にしてください。
結論:自己分析は「振り返り」ではなく「深掘り」に価値がある
自己分析というと、過去の出来事を時系列で並べることだと思われがちです。でも、出来事を並べるだけでは、自分のことはあまり分かりません。
本当に価値があるのは、一つひとつの出来事を「なぜ?」で深掘りしていくことです。
なぜ「深掘り」が大事なのか
人はそれぞれ、いろいろな価値観を持っています。でも、その価値観は生まれつき持っていたものではありません。何かの経験や、誰かに言われた言葉、育った環境などに影響を受けて、今の状態が作られています。
だから、同じ出来事でも、人によって受け止め方はまったく違います。
たとえば「部活の大会で負けた」という出来事でも、
- 悔しくて、次は勝つために練習量を増やした人
- チームの雰囲気が悪くなったことのほうがつらかった人
- 正直ほっとした人
と、感じ方は人それぞれです。そして、その感じ方の違いの奥に、その人らしさがあります。出来事を並べるだけでは、この部分が見えてきません。
深掘りのやり方:4つの「なぜ」
1. 出来事を書き出す
まずは、モチベーショングラフや自分史など、どんな方法でもいいので、これまでの出来事を書き出します。うれしかったこと、つらかったこと、頑張ったこと、なんとなく覚えていることなど、大きな出来事でなくても大丈夫です。
2. 「そのとき、どう感じた?」
出来事ごとに、そのとき自分がどう感じたかを書きます。「楽しかった」「悔しかった」だけでなく、できるだけ具体的に書くのがポイントです。
3. 「なぜ、そう感じた?」
次に、なぜそう感じたのかを考えます。ここが一番大事なところです。「なぜ悔しかったのか」「なぜうれしかったのか」を、何度か繰り返して掘り下げてみてください。
4. 「それにつながる、もっと前の経験はある?」
その感じ方のもとになった、もっと前の経験や、誰かの言葉、環境がなかったかを考えます。「小さいころからそうだった」「あのときに言われた一言がずっと残っている」など、自分の価値観の根っこが見えてくることがあります。
並べてみると見えてくる「自分のスイッチ」
いくつかの出来事を深掘りしたら、それを並べて見比べてみましょう。すると、次のようなことが見えてきます。
- モチベーションが上がるのは、どんな条件・環境のときか(誰かに頼られたとき、成果が数字で見えたとき、自分で決められたとき、など)
- 逆に、モチベーションが下がるのは、どんな条件・環境のときか(自分の意見が通らないとき、目的が分からないまま作業するとき、など)
これが分かると、「自分はどんな会社や仕事なら力を出せるのか」が具体的に考えられるようになります。自己分析のゴールは、自分がどういう人間なのかを、自分自身が深く知ることです。
自己分析が、就活のすべての土台になる
自己分析をしっかりやっておくと、就活のいろいろな場面で役に立ちます。
- 就活の軸:自分が力を出せる条件から、会社に求めることが見えてくる
- ガクチカ・自己PR:自分らしさが伝わるエピソードが、自然と出てくる
- 志望動機:自分の価値観から見た、その会社の魅力を語れる
- 面接の深掘り質問:「なぜ?」と聞かれても、自分の言葉で答えられる
特に、選考が進むほど、面接では表面的なエピソードよりも、その人の根本的な価値観を聞かれることが増えていきます。取ってつけた回答を練習するだけでは乗り切れません。だからこそ、最初に自己分析をしっかりやることが、内定への一番の近道だと思っています。
まとめ
- 自己分析は、出来事を並べる「振り返り」より、「なぜ」の深掘りに価値がある
- 人の価値観は、経験・言葉・環境から作られている。同じ出来事でも感じ方は人それぞれ
- 「どう感じた?」「なぜ?」「もとになった経験は?」と掘り下げる
- 並べると、モチベーションが上がる条件・下がる条件が見えてくる
- 自己分析は、就活の軸・ガクチカ・志望動機・面接すべての土台になる
自己分析ができたら、次は「社会人1年目をどう過ごしたいか」を考えて、就活の軸を作っていきます。詳しくは就活の軸の作り方|「社会人1年目をどう過ごしたいか」から逆算するをご覧ください。就活全体の考え方は就活は「マッチング」|ネットの型に当てはめる就活がうまくいかない理由にまとめています。


