「裁量が大きい」「若いうちから成長できる」。ベンチャー企業やスタートアップの求人には、魅力的な言葉がたくさん並んでいます。
私も新卒のとき、まさにその言葉にひかれてベンチャー企業を中心に就活をし、第一希望の会社から早期で内定をもらいました。ただ、入社してから想像とのギャップが大きく、その会社は1年で辞めて転職しています。
この記事では、そんな私の経験と、今の会社で人事・教育の業務にも関わるようになって感じていることをもとに、ベンチャー・スタートアップに新卒で入る前に確認しておきたいことをまとめました。
結論:「面接対策のための企業研究」と「働く場所としての企業研究」は別物
一番伝えたいのはこれです。
面接に受かるための企業研究は、「なぜこの会社なのか」「入社して何をしたいか」を話せるようにするためのものです。一方で、入社してから後悔しないための企業研究は、「この会社で働くと、自分の毎日はどうなるのか」を知るためのものです。
私は前者しかしていませんでした。面接ではしっかり話せたのに、実際に働く毎日のイメージはほとんど持てていなかったんです。
なぜベンチャー・スタートアップに惹かれたのか
当時の私は、将来起業したいと思っていました。だから「とにかく早く力をつけたい」「いろいろな仕事を経験したい」と考え、次のような会社を探していました。
- ただ裁量があるだけでなく、担当できる業務の幅が広い
- 若手でも大きな仕事を任せてもらえる
- 圧倒的なスピードで成長できる
この考え方自体は、今でも間違っていなかったと思います。ベンチャーやスタートアップには、実際にそういう環境があります。問題は、その環境で働くことが自分にとってどういうことなのかを、具体的に考えていなかったことでした。
入社してから感じたギャップ
細かい事情は会社によって違うので、ここでは私が「入社前に知っておけばよかった」と思ったことを、一般的な形で書きます。
- 「裁量が大きい」は、「教えてくれる人や仕組みが少ない」ことの裏返しでもあった
- 業務の幅が広いぶん、1日の仕事量が多く、働く時間が長くなりがちだった
- 仕事以外の時間(生活のリズムや休息)をどう確保したいか、自分で考えていなかった
ベンチャーやスタートアップが悪いわけではありません。ただ、自分に合うかどうかは、事前に確かめられることがたくさんあったと思っています。
入社前に確認したいことチェックリスト
仕事の中身
- 入社1年目の人は、最初の3か月・1年でどんな仕事を任されているか
- 配属先はいつ、どうやって決まるのか(希望はどのくらい通るのか)
- 「業務の幅が広い」とは、具体的にどんな仕事を同時に持つことなのか
教育・サポートの仕組み
- 新人研修はあるか、あるならどのくらいの期間か
- 仕事を教えてくれる先輩(メンター)はつくか
- 困ったときに相談できる人は誰か(上司・人事・同期など)
働き方
- 1日の平均的な働く時間、繁忙期の働き方
- 休みの取りやすさ、リモートワークの有無
- 同期や若手社員の人数(相談相手がいるか)
会社の状態
- 社員数の増え方や、ここ数年の離職の状況
- 資金調達の状況や、事業が今どの段階にあるか(スタートアップの場合)
- 評価制度や給与の決まり方
どうやって確かめる?おすすめの方法
社員面談・内定者面談で「1日の流れ」を聞く
面接ではなく、選考と関係のない面談の場を使いましょう。おすすめの質問は「入社1年目の方の、昨日の1日の流れを教えてください」です。抽象的な「やりがい」よりも、具体的な毎日が見えてきます。
若手社員とベテラン社員、両方に話を聞く
若手社員からは「今の働き方」、少し上の社員からは「数年後にどうなっているか」が分かります。両方聞くと、その会社での自分の将来をイメージしやすくなります。
口コミサイトは「傾向」を見る
社員の口コミサイトは、個別の書き込みに振り回されず、「同じことが何度も書かれていないか」という傾向を見るのがおすすめです。気になる点があれば、面談で直接聞いてみましょう。
就職エージェントに「客観的な情報」を聞く
新卒向けの就職エージェントは、企業の採用担当者とやり取りしているので、求人票だけでは分からない情報(若手の定着率や配属の傾向など)を持っていることがあります。一人で調べるのが大変なときは、相談してみるのもひとつの方法です。
人事・教育の業務に関わって思うこと
転職した今の会社では、マーケティングや広告運用の仕事のほかに、相談して人事・教育の業務にも関わらせてもらっています。会社側の立場になって改めて思うのは、入社前に不安や疑問を聞いてくれる人のほうが、入社後のミスマッチが少ないということです。
働き方や教育の仕組みについての質問は、失礼なことではありません。むしろ「この人はちゃんと考えて選んでくれている」と受け取る会社も多いと思います。気になることは、遠慮せずに聞いてみてください。
まとめ:成長できる環境かどうかに加えて「自分の毎日」を想像する
- 面接対策の企業研究と、働く場所としての企業研究は別物
- 「裁量が大きい」「業務の幅が広い」は、仕事量や教育体制とセットで確認する
- 社員面談では「入社1年目の1日の流れ」を聞くと、具体的な毎日が見えてくる
- 仕事だけでなく、プライベートも含めてどんな社会人生活を送りたいかを考えておく
ベンチャーやスタートアップは、合う人にとっては本当に成長できる環境です。だからこそ、入社前に「自分に合うか」を確かめておくことが大切だと思います。
就活のスケジュールや、内定が出たときに確認したいことは就活はいつから?28卒のスケジュールと「内定はいつまでに」の目安に、私が1年で転職したときのことはスタートアップからメガベンチャーへ転職した話にまとめています。


